国際取引・国際取引法解説






大まかな表現をすれば、国際取引法は、国際取引に関連する各種の法規範の集合体である。
こうした、国際取引法を理解するためには、国際取引の実態とそれを関連する各種の法規範とは表裏の関係にあるので、
国際取引において、国際取引の実態を知らずに国際取引法を理解することは、困難である。

よって、
SCG澤田・コンサルティンググループ・株式会社「以下、SCG GROUP社と言う。」は、国際取引の実態を理解しておくことが必要である。















国際取引の基礎知識
国際取引の生成発展

地球上の各種の資源が地域により偏在しており、気象条件や地理的条件をはじめとして、
社会的条件も地域により異なっていることは、否定できない事実である。
われわれが生活している地球のこの動かしがたい事実が、国際取引を必要とし、
更にそれを発展させてきた主たる原因であるということができる。


自国に産出する産品と、自国には産出しないが他国には、産出する産品と交換する交易が、
人類の歴史などに見られるところであり、交易は古い形の国際取引に一種である。

このように国際取引の歴史は非常に古いが、国際取引が質、量の両面において、
飛躍的な発展を遂げ、現代的な国際取引が出現したのは、1780年代の英国に端を発する
産業革命に伴う工業化の動きが、世界的な潮流となった19世紀以降である。(
国際取引法要説より抜粋)







現在、日本国の交易は、米国を含む環太平洋地域による経済連携協定TPP交渉である。
TPPによる交渉では、


海外の安価な商品が流入することによって物価が継続的に下がり、貨幣価値が上がっていく
デフレーション状態を引き起こす可能性がある。


最悪な場合、その作用が循環し、デフレスパイラルを引き起こす可能性も極めて高い。
関税の撤廃により米国などから安い農作物が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。
食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。

医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や医療格差が広がりかねない。

このようなデメリットも予測され、交渉が難航している。

一方、以下のようなメリットも予測される。

関税の撤廃により貿易の自由化が進み日本製品の輸出額が増大する。
整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては企業内貿易が効率化し、利益が増える。
物価が継続的に上がり、貨幣価値が下がっていくインフレーション状態の循環も考えられる。(SCG GROUP社)














古典的国際取引
CIF条件による貿易




この説明に関しては、外需主導型成長戦略(GFS50)関連者にとって重要な説明となる。



















































古典的な国際取引の典型である貿易については、様々な形の取引が存在するが、
代表的な国際物品売買取引であるCIF条件による貿易は、通常次のステップで展開される。


@売主、買主間の交渉を経て物品売買契約の締結。

A買主とその取引銀行間における信用状開設契約の締結。

B買主の取引銀行から売主の取引銀行を経由、売主に対する信用状開設の通知。

C売主と売買の目的物を輸送する運送人との間の物品運送契約
 並びに保険者との間の貨物保険契約の締結。

D売主による目的物の運送人への引越しと運送人からの船荷証券等の船積書類の受領。

E売主は、買主宛の為替手形と信用状の条件に適合する船積書類を自己の取引銀行へ提供して、
 売買代金を受領。

F売主の取引銀行は売主から買い取った為替手形と船積書類を、買主の取引銀行へ売却し、
 売主へ支払済の売買代金を回収。

G買主の取引銀行は、買い取った為替手形と船積書類を買主に売却して、買主より売買代金を回収。

H買主は運送人に船積書類を提供して、目的物の引越しを受け、売買の目的を達成する。
 目的物の減失や毀損があれば、保険契約に基づき保険者へ求償。



貿易の特徴は、その取引のステップに見られるように、主たる取引である物品売買取引と、付帯する従たる取引である信用状や
手形の取り立てについての外国為替取引、運送取引、保険取引の四者が一体となって有効に機能していることである。国際取引法要説より抜粋)

















貿易に付帯する取引
外国為替取引








貿易においては、買主に売主に対して物品の代金を支払うべき義務が生ずるが、
この代金支払義務は、外国為替取引を利用して履行される。

外国為替は、貨幣制度を異にする国際間にまたがる資金移動又は代金決済を、現金や金地金を輸送することなく
行うために用いられる信用手段を指し、具体的には、為替手形や小切手などの信用証券、書信、電信などの通信手段を
利用した支払い指図や取り立て指図を指す。(国際取引法要説より抜粋)












信用状
取引を円滑に進めるため、売主が代金回収のために振り出す荷為替を銀行が安心して買い取れるように、
買取銀行に対し、買主の依頼により、買主の取引銀行が、荷為替の決済を確約する書面を差し入れることが
一般的に行われるが、この荷為替の決済を確約する書面が、荷為替信用状である。

信用状は、このほかに、銀行が取引先の債権者や契約相手先に対して信用状を発行することがあり、
このように保証状に代えて発行される信用状をスタンドバイ信用状と称する。(国際取引法要説より抜粋)















物品運送取引
貿易においては、売買の対象となった物品をある場所から他の場所へ移動(運送)させる必要を生ずるのが、
通常の例である。
国際取引に伴う物品の運送の手段としては、海上、陸上、航空の3手段が考えられるが、
一般的には、船舶による海上運送によって行われることが多い。
海上物品運送契約の形態としては、個品運送契約と傭船契約とがある。(国際取引法要説より抜粋)















コンテナ輸送・複合輸送
海上運送におけるコンテナ使用の増大に伴い、単一の運送契約の下に複数の運送手段による運送を行うため
複数の運送人が関与することになる。

例えば、日本から欧州向けの物品を日本海を海上運送した後、シベリア並びに欧州内陸を鉄道運送する
シベリア ランド ブリッジといった複合運送の重要性が増加してきている。(国際取引法要説より抜粋)
















保険取引
貿易による物品の輸送に際しては、輸送途中における物品の減失、破損、盗難などの損害及び輸送手段として
使用される船舶、鉄道、自動車、航空機などの受ける損害など、運送取引には危険が伴うことは避けがたい。

こうした各種の危険に対処するための方策が、損害保険への加入(付保)である。
危険を負担しなければならない当事者(被保険者)が、保険者と保険契約を締結して保険料を支払い、
その代償として、保険の対象とする危険が現実に発生した場合には、保険者より発生した損害の補償を受けることになる。
保険への加入から、損害の補償に至るまでの一連の取引が保険取引と呼ばれる。

具体的には、海上運送については、貿易の対象である物品についての貨物保険と、輸送手段である
船舶についての船舶保険が付保されるのが通常である。(国際取引法要説より抜粋)















国際的知的所有権取引
国際的知的所有権取引としては、知的所有権そのものの譲渡を目的とする取引と知的所有権に関する使用権(ライセンス)
の設定を目的とする取引とに分けられる。

知的所有権の内容が技術に関するものであるときは、知的所有権を譲渡しまたは使用権を設定することにより、
その技術が当事者間において移転するところから、技術移転取引と称することもできる。

知的所有権の内容とはなっていないが、工業目的に役立つ技術を完成し、またはこれを実際に適用する必要な
応用技術知識及び資料ということのできるノウハウも、国際的な知的所有権取引において知的所有権とともに
取引の対象とされることが多い。(国際取引法要説より抜粋)
















次に法的に見た国際取引の説明しよう

































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